「わたしたち、はじめからつきあってなんかないじゃん。」

別れを告げた僕に。

あくる日。

再度ほのかに謝罪を含ませる僕に。

「わたしたち、はじめからつきあってなんかないじゃん。」

優しく包むよう少し愉しむように微笑んだ。

僕が笑えるようにね。きっと。

あなたの強がりも隠れていたのかもしれないけれど。

あなたはいつも何かに気づいてさ。

その場所にすとんと落としてくれるんだ。

あなたの優しい意図が僕にもわかるから。

僕らは3年半付き合ったのです。しっかりと。

また会おうね。と何度も逢うようになり。

終電ギリギリまで会話をしていた。寒空のある日。

あなたは「さむぃっ」と。僕が入れたポケットに

手をつなぎ始めてから。

いつもあなたには驚かされたよ。

まだ付き合ってもない頃。よかったらあなたの弾いたピアノを聴かせて。と

卒業制作の一枚のCDを持ってきてくれた喜ぶ僕の顔をみて、あげると言ったのです。

もらえるわけないじゃんと。あげると押し通すものだから。

とりあえず大切に預からせて頂くことにしたのです。

そうその時まで。

あなたがあれからたくさんの経験をしたことは知っています。

あなたは今どんな音を奏でているでしょうね。

どこかで自然と耳にする機会があるでしょうか。

広告を非表示にする