家族の葛藤と逆説志向

「逆説志向」とは、結果を求めてなしたことが、求めていた結果と逆の状況になることを言う。

例えば、「営業成績?1」を掲げて営業員にハッパをかけたところが、社員がウツになって営業成績が落ちるという逆説が現われる。

また、国の政策でも、失業者を増やさないように解雇しにくい制度をつくったが、会社が正社員を雇わなくなり、派遣社員にしかなれず、雇用が安定しなくなった。

家庭でもこうした葛藤は数多い。

いや、家庭の人間関係が複雑になった現代では、家庭こそ「運営」が難しくなり、逆説志向が増えたのではないだろうか。

「勉強しなさい」と言うことによって子供の成績が悪くなったり、「ゲームばかりするな」と言うと、家には帰らず別の場所でゲームに没頭するようになったりする。

こうした逆説が起こる理由は、「原因・結果の法則」で、「結果」のために「結果」を求めたことが原因だ。

最初に挙げた営業成績の例では、営業成績を上げたければ「顧客の満足」を目標にせねばならない。

顧客が満足し、リピーターとなれば営業成績は上がってゆく。

最近では「顧客満足」を達成するために「従業員満足」という言葉が使われるようになった。

従業員が生きがいを持って仕事に取り組めるような職場にすることで顧客に充分なサービスを提供できる、という考え方だ。

また、二番目の例の「失業者を増やさないための政策」は、企業の税金を下げ、規制を緩和し、会社をつくりやすくすることだ。

日本は新たに会社を起業する率が先進国では最低レベルである。

税制が複雑で、規制も多く、会社をつくりにくい状況にあり、外国の企業も入りにくい状況にある。

では、家族の問題はどうだろう。

これは、よく言われることだが、子供に勉強させたかったら、親が学ぶ姿を見せて、知ることの喜びを教えることだ。

人間は、もともと成長することに幸福を感じるようにできている。

「知識が増えるということはうれしいことだ」ということを親の姿を通して教えなければならない。

「言っても聞かないから」と言って「締め付け」をきつくすると、親から離れようとする。

「締め付け」をきつくすればするほど親には近づかなくなり、やがては帰って来なくなる。

人間の魂は、肉体にすっぽり入ってしまうと、自分の姿が見えなくなる。

自分の言動が相手にどういう影響を与えるのか、客観的に見る修行が大切かと思う。