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橋梁などに用いられる鋼材の塗膜下腐食を引き起こす、水の動きや滞留を非破壊で定量的に評価する手法を開発>!

橋の寿命を中性子ビームで測る 新非破壊検査技術登場

2017年3月17日 09:23

理研小型中性子皆源システム、RANS(ランズ)のターゲットステーション(青い装置)。(画像:神戸製鋼所発表資料より)

理研小型中性子皆源システム、RANS(ランズ)のターゲットステーション(青い装置)。(画像:神戸製鋼所発表資料より)[写真拡大]

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 理化学研究所理研)の光量子工学領域光量子技術基盤開発グループ中性子ビーム技術開発チームと、神戸製鋼所材料研究所による共同研究グループは、橋梁などに用いられる鋼材の塗膜下腐食を引き起こす、水の動きや滞留を非破壊で定量的に評価する手法を開発した。中性子を利用したもので、「理研小型中性子源システムRANS(ランズ)」と命名された。

 鉄鋼・鋼材は、安価で、強靭であり、また加工が容易であることから、建造物、橋梁などのインフラストラクチャ―などを筆頭に、多くの分野にて広く用いられている。

 ただし、鋼材には大きな弱点がある。それは、錆びるということである。その主な元凶となるのは、水による腐食だ。水は雨などの形であまねく偏在するものであるから、巨大な剛構造体においてこれを回避させるのは難しい。

 従って、多くの鋼材による構造体は、一般的に、防水処理、すなわち塗装が施される。塗装は強力な防水手段ではあるが、塗料そのものにも寿命があり、いずれは塗装の裂け目などから水は侵入し、腐食をもたらす。これが構造体の寿命を決定する大きな要因である。

 塗装の内部で、水がどのように鋼材を侵食するか、というのは、従来の技術では未解明の部分が多く、構造物の寿命を測定する上で技術的なネックとなっていた。既存の手法、たとえばX線による非破壊検査などでは、水の詳細な動きを捉えられなかったからだ。

 そこで今回開発されたのが、中性子を用いて水の流れを観測する、新しい装置である。

 ランズによる新しい測定法が、建築や土木の世界に広く普及するようになれば、建造物などの寿命をより正確に測定することができ、結果的に維持・修復などのコストを低減することが期待できるという。

 なお、この研究の成果は、17日まで開催されている日本鉄鋼協会第173回春季講演大会で発表され、また研究で得られた中性子透過像は、日本金属学会第67回金属組織写真賞の優秀賞を受賞している。(藤沢文太)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー以上転載ーー

http://www.zaikei.co.jp/article/20170317/358150.html